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知ろう、備えよう! いざという時の防災対策

9月1日は「防災の日」。近年、日本は地震の活動期に入ったと言われ、2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震では大きな被害がありました。
また、最近は大型台風や豪雨災害、土砂災害や火山噴火など、さまざまな自然災害の不安が募っています。

そこで今回は意外と知らない防災のことや、日ごろから備えておきたい防災対策、災害にあった場合の行動などを紹介します。

最低限知っておくべき災害発生時の5つの優先事項

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いつ発生しても不思議ではない災害。 まずは、どんな災害時においても共通の行動を知っておきましょう。

(1)慌てずに身の安全を確保

災害が発生したら、周囲に危険な物や場所がないか状況を確認し、最寄りの安全な場所を確保します。

そのためにも、自分が普段過ごす場所についての「安全なところ」と、いざという時の「避難経路」を考えておきましょう。

地震避難の際は、必ずしも机の下が安全とは限りません。
場合によっては物が動いて脱出できなくなることもあるため、あらかじめ安全かどうか確認しておくことが大切です。

(2)何が起きているか知ること

身の安全が確保できたら、あらゆるツールを使って情報を収集します。

そのためにも、携帯ラジオを常備しておきましょう。 コミュニティ放送などから情報を得るのも有用です。

Twitterや電子掲示板、メールや個人のブログ情報も利用できますが、それらの情報を鵜呑みにせず、行政機関や公式機関のサイト情報も確認しましょう。

(3)冷静に落ち着いて行動

状況を把握できたら、より安全な場所に避難します。

そのためにも、いざという時にも歩きやすい靴を用意しておきましょう。
そして、出入り口には普段から物を置かないという習慣を徹底しましょう。

地震発生時はすばやく火元を確認し、余震も考え、揺れがおさまってから行動します。

(4)誤報でも行動

特別警報が出たら即行動を。
迷いや尻込みが命の明暗を分けるため、誤報が疑われる場面でも、まず行動します。

特別警報とは「警報」の発表基準をはるかに超える数十年に一度の大災害が起こると予想される場合に発表され、対象地域の住民に対して最大限の警戒を呼びかけるものです。

行政機関やさまざまなメディアを通じて確実に伝えられます。

(5)家族に連絡

落ち着いたら、家族の安否を確認します。

災害用伝言ダイヤルを活用しよう

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家族の非常用連絡ツールは、さまざまなものがあります。

●固定電話で安否確認をする災害用伝言ダイヤル「171」

自宅の電話番号を使って伝言を録音し、全国から確認できるものです。
「171」にダイヤルし、ガイダンスに従って録音や再生をします。
1回に録音できるのは30秒までなので、必要な情報を簡潔に。
伝言は災害伝言ダイヤル(171)の運用期間終了まで保存されます。

●スマートフォンやパソコンから伝言を登録できる災害用伝言板「web171」

Webサイト(https://www.web171.jp/)にアクセスして伝言を登録します。
登録された安否情報は携帯電話各社が提供している災害用アプリやパソコンからも確認が可能なのでスマートフォンの機種変更時には、災害用アプリがインストールされているか確認をしましょう。

●スマートフォンのパケット通信を利用して音声メッセージで安否確認ができる「災害用音声お届けサービス」

震度6弱以上の地震など大規模な災害が発生した場合に、携帯電話・PHS各社が提供するサービスで、音声通話が混み合っている時でも、音声通信に代わってパケット通信により音声メッセージを届ける災害時専用のサービスです。

ある携帯電話番号に対してメッセージを録音すると、登録されたことがSMS(ショートメッセージサービス)によって相手に通知され、メッセージセンターに接続してメッセージを確認することができます。

●安否情報を一括検索できる「J-anpi」

電話番号または氏名を入力することで各社の災害用伝言板および報道機関、企業・団体が提供する安否情報をまとめて検索できます。(J-anpi http://anpi.jp

このほかにもFacebookやLINE、Twitter等のSNSも災害時には安否確認手段として有用です。

災害時の「正常性バイアス」に惑わされない!

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「正常性バイアス(normalcy bias)」とは心理学の用語で、多少の異常事態が起こっても「ほかの人が何もしていないから大丈夫」と勝手に判断してしまうことです。

例えば、もし今、非常ベルが鳴ったとしたら、誤作動だと思ってしまいませんか。
このように、人間は予期しない事態に対峙したとき、反応に対する精神的な疲れやストレスを回避するために自然と脳が働き、心の平安を守る作用が備わっています。
その「ありえない」という先入観や偏見(バイアス)が、緊急事態下では生命の危険にさらされる状況を招きかねません。

東日本大震災でも、「すぐに避難できなかった」「あれほど巨大な津波が来るとは思わなかった」という人が多くいました。
自分の身は自分で守るしかありません。
不安に思ったら、自分で判断し、行動しましょう。

実は違う「避難場所」と「避難所」

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災害時、避難する場所は主に「避難場所」と「避難所」のふたつがあります。

◎避難場所

地震などにより火災が発生した場合など、地域全体が危険になった時に避難し、一時的に待機する場所です。
「緊急避難場所」と呼ぶこともあります。

基本的に食料や水の備えはなく、大規模な公園や緑地、大学などが指定されています。
一般的に屋外の建築物がないスペースが指定されていることが多いのですが、風水害など、災害の種類によっては指定が異なる場合があります。
また、市町村によっては、以下のように区分される場合もあります。

●一時(いっとき)集合場所:近隣の人たちが集まって、様子を見る身近な集合場所です。
広域避難場所のほうが近い場合には、直接、広域避難場所に集合します。

●広域避難場所:火災やその他の危険から身を守り、消火や鎮火等を待つ場所です。

◎避難所

家屋の倒壊や焼失などで被害を受けた人、または被害を受ける恐れがある人が、一定の期間、避難生活をする場所です。
「収容避難場所」と呼ぶこともあります。

飲料水やトイレなどを備えており、小中学校の体育館や公民館などの屋内の公共施設が指定されています。
そのほか、自宅や避難所での生活が困難で、介護などを必要とする人を一時的に受け入れる二次(福祉)避難所もあります。

もしものケガに備えよう! 応急手当の方法

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災害時、医療機関では「命の危険にかかわる人」が最優先されます。
比較的軽いケガの場合は、できる範囲で応急手当をしましょう。
また、もし目の前で人が倒れていて意識や呼吸がない場合は、勇気をもってただちに心肺蘇生を行います。

◎出血の応急手当

まずは処置をする人がきれいに手を洗い、血液に触れないようにゴム手袋かビニール袋をします。
出血部分(傷口)を水で洗浄して清潔なガーゼなどを当て、できれば10分以上、出血している場所を強く押さえます。
可能なら傷口を心臓より高い位置にします。
その際、傷口の消毒はNG。
傷口から出るキズを治す成分(浸出液)の働きを低下させ、治りが悪くなります。
キズは乾燥させないようにラップなどで覆い、常に清潔に保ちましょう。

◎やけどの応急手当

流水で冷やし、衣類の上からやけどをした場合は、無理に脱がさずそのまま冷やします。
水疱(水ぶくれ)は破らず、冷やしたあとはきれいな布で保護し、医療機関に行きます。

◎心肺蘇生の主な方法

呼びかけて反応があるかを確認し、119番とAEDの手配をします。

反応がない時は呼吸を確認し、1分間に100〜120回のテンポで30回の胸骨圧迫を行ったあと、1回約1秒かけて2回息を吹き込む人工呼吸を行います。
この「胸骨圧迫を30回、人工呼吸を2回」を1セットとし、この動作をAEDや救急隊員が到着するまで繰り返します。

ただし、出血などで人工呼吸ができない場合や、感染防護具がなく口と口による直接接触がためらわれる場合は、胸骨圧迫を繰り返します。

AEDにはいくつかの種類がありますが、どの機種も同じ手順で使うことができ、電源が入ると音声メッセージと点滅するランプで指示が出るので、落ち着いてそれに従います。

また、柱や梁などに挟まれた人を発見した場合や倒れている人に声をかけて反応がなかった場合には、周囲の人に声をかけて協力を依頼します。
しかし、決して無理はせず、難しい場合は専門家に任せます。

私たちの身の回りには、日々の生活を脅かす多くのリスクが潜んでいます。
災害や危機から身を守るには、正しい知識や情報が大切です。

「防災の日」を機に防災対策を今一度見直して、改めて家族でも話し合い、もしもの時に身を守る力をつけましょう。

ガスと電気の比較