長野県初 燃料転換とカーボンオフセット都市ガス導入でCO₂排出量実質ゼロを実現
当社は長野県内初となる「カーボンオフセット都市ガス(排出係数調整型)」をホクト株式会社のきのこ生産拠点である「小諸きのこセンター」(長野県小諸市)へ供給を行います。
小諸きのこセンターは、生産設備の燃料をA重油から都市ガスへ転換することで、CO₂排出量の大幅な削減を実現し、さらに「カーボンオフセット都市ガス(排出係数調整型)」を導入することで、同センターにおける蒸気ボイラー燃料からのCO₂排出量が実質ゼロとなります。
本件は国内最大手のきのこ総合企業グループと当社との地域連携による低炭素から脱炭素につながるソリューション事例となります。
1. 本取り組みのポイント
(1)燃料転換によるCO₂大幅削減: 第1段階として、A重油から都市ガスへの燃料転換により、ホクト小諸きのこセンターにおける年間CO₂排出量を削減します。具体的なCO₂削減量は約32.1%であり、これは日本の一般家庭およそ250世帯が一年間に排出するCO₂の量に値します。※表1参照
(2)CO₂排出実質ゼロ化: 第2段階として長野県内初となる「カーボンオフセット都市ガス(排出係数調整型)」を導入し、燃料転換後もなお排出されるCO₂を相殺。これにより、きのこ生産における蒸気ボイラー燃料からのCO₂排出量を実質ゼロとします。実質ゼロとして扱うことができるCO₂削減量は1,342.8t・CO₂/年です。これは、日本の一般家庭およそ540世帯が一年間に排出するCO₂の量に値します。※表2参照
表1:燃料転換におけるCO₂削減効果(年間)
| 使用量 | CO₂排出量 | |
|---|---|---|
| 燃料転換前:A重油 | 730,000L/年 | 1,978.3t・CO₂ |
| 燃料転換後:都市ガス | 655,000m3/年 | 1,342.8t・CO₂ |
| 削減量 | ― | ▲635.5t・CO₂ |
| 削減率(A重油比) | ― | ▲32.1% |
※CO₂の排出係数はA重油:2.71t・CO₂/KL、都市ガス:2.05t・CO₂/千m3
※「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づき、環境省が公表している「算定・報告・公表制度」の排出係数一覧より参照
※令和7年6月に環境省が発表した「令和5年度 家庭部門の CO₂排出実態統計調査 結果について(確報値)」より、家庭用1世帯におけるCO₂排出量は2.47t・CO₂/年であることから、約2.5t・CO₂/年とし、換算したもの。
表2:カーボンオフセット都市ガス(排出係数調整型)導入におけるCO₂削減効果(年間)
| 使用量 | CO₂排出量 | |
|---|---|---|
| 燃料転換後:都市ガス | 655,000m3/年 | 1,342.8t・CO₂ |
| カーボンオフセット都市ガス (排出係数調整型) |
― | 0t・CO₂ |
2.カーボンオフセット都市ガス(排出係数調整型)の概要について
「カーボンオフセット都市ガス(排出係数調整型)」は、都市ガスの使用により発生するCO₂排出量を、他の場所での温室効果ガス削減・吸収活動によって創出されたCO₂クレジットで相殺(オフセット)する仕組みを取り入れた環境配慮型の都市ガスです。都市ガスの燃焼によるCO₂排出量をJ-クレジットで相殺することで、実質的な排出ゼロを実現します。企業は、温室効果ガス排出量の削減目標(Scope1)達成に貢献でき、ESG評価や脱炭素経営の推進にもつながります。
供給スキームのイメージ

※Jクレジット制度
「J-クレジット制度」は、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの活用、森林管理などによって削減・吸収された温室効果ガスの量を、国がクレジットとして認証する制度です。環境省・経済産業省・農林水産省が共同で運営しています。
11月26日の共同記者会見の様子
左:ホクト株式会社 水野社長 右:長野都市ガス株式会社 中山社長
