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プロカメラマンに聞いた、スマホで料理写真を上手に撮る方法

外食をした時や、おいしそうな料理を作れた時、スマートフォンで撮影をしたり、SNSに写真をアップしている人も少なくないのでは。でも、料理写真をおいしそうに撮るのってなかなか難しいですよね。そこで、プロカメラマンの阿部宣彦さんに長野都市ガスで開催している料理教室にお越しいただき、実際に作った料理を使って、スマホでおいしそうな料理写真が撮れるコツを教えてもらいました。

ポイントはライティング、演出、構図

スマホの画面サイズは、標準的な機種で、縦10cm、横6cm程度。その限定された画面の中に、いかに見る側の目を引く被写体が写っているかが撮影において重要です。そんなことを念頭におきながら、(1)ライティング、(2)演出、(3)構図の3つのポイントを押さえましょう。

(1)ライティング

「ライティング」といっても特別な機材を用意する必要はありません。光の当たり具合は一方向であることが望ましいので、例えば自然光が入る窓辺のテーブルで撮るだけでもステキな写真が撮影できます。 そもそも「ライティング」とは、「被写体に光を与える」行為。自然光や室内の照明を、方向性をもった光に変換して物体に当ててあげると、不思議と物体がきれいに見えます。そこで、料理写真の場合のライティングのセオリーは以下のふたつ。
(A)被写体(料理)の斜め45°後方に光源(窓からの自然光、ランプなど)を置きます。それ以外の光は遮るのが理想です。
(B)被写体(料理)の手前に影がある場合は、レフ板で影を起こします(明るくします)。レフ板はカレンダーや折込チラシの裏面など、白いもので代用できます。

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(2)演出

その上で、ワンランク上のテクニックとして「演出」を考えます。 最近の料理写真は、主役になる料理だけでなく、その料理が置かれているテーブルや空間全体、調理をした人、食べる人が写っていたり、あるいはそういったものをイメージさせるものが流行しています。近頃、ライフスタイル系の雑誌などで料理を真上から撮った写真が目立つようになりましたが、それも、被写体がある空間を伝えやすくするための撮影術。 また、料理や器にもよりますが、直にテーブルに置くより、テーブルクロスやランチョンマットなどの敷物を敷いたほうが、雰囲気が演出されます。

(3)構図

写真は何も考えずに撮影をすると被写体を中心に置きがちですが、いわゆる「日の丸構図」とよばれる平凡な構図になってしまうことが多々あります。そこで、三分割構図にしてみましょう。

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三分割構図とは、画面を縦と横それぞれに三分割し、その交点や線上を目印に被写体を配置する方法。これにより写真に安定感や適度なスペースが生まれ、写真が上手に見えます。

その上で、被写体の主役と脇役を意識し、カトラリーを入れるなど、画面内に視線の導線を作ると一層効果的。 また、皿の柄や皿全体をしっかりと見せたい時は上から、料理に寄ったり料理の盛り方などを見せる時は横から撮影するなど、構図を考えましょう。

ほとんどのスマホのカメラアプリにはグリッド線を表示するオプションが付いているので、被写体の中でも特に強調したい箇所をグリッド線の交点に配置しながら撮影してみるとよいでしょう。

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ちょっとの工夫で魅力アップ!写真を比較してみよう

では、おいしそうな料理写真のために構図や演出がいかに大切かを、初心者スマホユーザーと阿部さんとの写真で比較してみましょう。写真はいずれも、自然光が入る窓辺で撮影しました。

まずは、初心者スマホユーザーの写真。

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続いて、プロカメラマンの阿部さんの写真。

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違いがわかりますか? 素人の方は中途半端な斜めの角度からの「日の丸構図」で、何の工夫もないため、ぼんやりとした印象です。対して阿部さんの写真は、今まさに食べようとしているような演出で、水が入ったコップが置かれたり、テーブルクロスに動きがあったりと、臨場感やその場の空気感が伝わります。
大切なのは、一番見せたいものが伝わるような構図を心がけること。キーワードは「伝える」と「シンプル」です。

小道具を使ってさらに魅力アップ!

上の例のように、食べている途中の無造作感があると見る側も食べたくなります。このように、シチュエーションを作る手段もおいしそうな料理写真の撮影テクニックのひとつ。 また、色鮮やかなものや、日常から少々かけ離れたものが目に飛び込んでくると、インスタグラムなどのSNSでアップしても見る側の画面を送る指が止まることでしょう。

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インスタグラムでアップするなら

「インスタ映え」という言葉が流行しているように、インスタグラムでウケやすい写真の傾向もあります。そこで、インスタグラムのフィルターを活用して、さらにおいしそうな料理写真を作り出すコツをお伝えします。 ひとつは、料理は温かいイメージのほうがおいしそうな印象を受けるので、それに合ったフィルターを選び、さらに「温かさ」を調整して赤みを加えます。 そして、もうひとつは「フィルター選択」の際に「フチあり」を選ぶと、チェキやポラロイド写真のように、プリントされた写真のような印象になり、面白さがアップするということ。

では、実際に阿部さんの写真に簡単に解説を交え、インスタグラム写真の作例をご紹介します。

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▲フィルター(Gingham)を適用→編集機能でトリミング(角度/歪み補正含む)→温かさ(上げ)→ハイライト(下げ)→影(上げ)

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▲フィルター(Ludwig)を適用→編集機能でトリミング(角度/歪み補正含む)→温かさ(上げ)→影(上げ)→ビネット(周辺を暗くする)→チルトシフト(円形に周辺をボカす)

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▲フィルター(Rise)を適用し、フチありを選択→編集機能でトリミング(角度/歪み補正含む)→温かさ(上げ)→影(上げ)→彩度(上げ)→ビネット(周辺を暗くする)

フィルターや編集の違いで、だいぶ写真の印象は変わることがわかりますね。 なお、インスタグラムは基本的に正方形でアップされるため、撮影の段階で「スクエア」で撮ったほうがイメージしやすくなります。

まとめ

ここまでいろいろとご紹介をしてきましたが、実は写真に正解はありません。
とはいえ、例えばふたつの写真を撮り比べたときに「どちらが好きか」の判断はできるでしょう。
そうやって自分が好きな写真をたくさん撮れるようになることが上達への近道です。

料理教室紹介

長野都市ガスのショールームでは、最新のガス機器と充実した設備を備えた料理教室を開催しています。料理の作り方はもちろんのこと、ガスコンロの賢い使い方など、ガスだからできる手早くおいしく作れるレシピをお伝えしています。

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ご協力いただいた方

阿部 宣彦(あべ のぶひこ)さん

長野県栄村出身。都内フォトプロダクション、県内出版社を経て2013年独立。商業写真家として、web、雑誌、広告などの撮影をする。動くモノから動かないモノ、柔らかいモノから硬いモノまで何でも写すが、ストーリーのある画にこだわる。趣味は自転車と登山。

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