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手遅れになる前に知っておきたい熱中症対策

地球温暖化の影響は年々顕著になり、日々の生活に脅威をもたらしています。 そのひとつに、近年増加傾向の一途をたどる熱中症があります。
消防庁によると、平成28年5月から9月までに全国で熱中症が原因で救急搬送された人は累計5万人にのぼり、なかでも8月は救急搬送数が最も多くなることが報告されています。しかし、熱中症は普段から気をつけることで防ぐことができます。

そこで今回は、医療法人啓成会岡田内科の岡田啓治院長に、熱中症対策についてお話を伺いました。

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重症に至ることもある熱中症の怖さ

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以前は熱中症の注意報は7月頃でしたが、近年は5月の時点で既に呼びかけられています。 熱中症の発生は、気温だけでなく湿度も関係しますが、気温が25度以上になると発生が見られ、31度以上になると急激に増加します。 熱中症の怖さのひとつとして、夏の暑い環境下では5時間ほどという短い時間で重症化することが報告されています。

しかし、熱中症に対する知識がない場合は、体の不調があっても熱中症と気付かずに時間が過ぎてしまうことが少なくありません。
その結果、自分で判断をしたり体を動かすことが難しいレベルとなり、やがて危険な状態になってしまいます。 実際、暑い中に畑に行って帰ってこないので家族が見に行くと、畑の近くで亡くなっているのを発見したと報告があります。

「水分や暑さよけに十分に注意していたのに、なぜ対応できなかったのだろう」という疑問は、熱中症の怖さや対策について本当の知識がなかったためだと思われます。

熱中症の原因とメカニズム

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そもそも熱中症とは、高温の環境下で体温が上昇し、皮膚血流量の増加と、それに伴う発汗により、水分と塩分が失われることで起こる身体の障害です。

通常、人間の体内では、細胞や臓器の生命活動のためにエネルギー(糖)が利用されており、その際に熱を発生します。 体内に熱だけが発生すると体温は上昇してしますが、人間の脳には体温を一定に保つ温熱中枢があり、体の血管を広げたり狭めたり皮膚から汗を出すことで、体温を一定範囲に保っています。

しかし、暑い環境でたくさん汗をかくと水分と塩分が失われ、しまいには汗が出なくなってしまいます。 すると体を冷やす術がなくなり、いわば「体を冷やす冷却システムが壊れてしまった状態」になります。

さらに、暑い中で筋肉を使う運動や作業をすると、発生する熱自体が多くなるので、余計に水分や塩分などを失いやすい状態になります。

その結果、体の芯の部分の温度が上昇し、次第に臓器がダメージを受け、ついには体温調整を行っている脳もダメージを受けてしまいます。 それまでに適切な治療が行われなければ死に至ることもあります。

重症度別、熱中症のサインと対処方法

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熱中症の症状は、軽いほうからⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度と分けられます。ここではわかりやすいように、軽度、中等度、高度(重症)と表現し、それぞれの症状と対応方法をご紹介します。

Ⅰ.軽度

この段階で熱中症を疑い、対処するのが適当です。
<症状>
 めまい、大量の発汗(異常なほど汗が出る)、あくび、筋肉痛、こむら返り
<対応>
 涼しいところに移動する、濡れタオルなどで体を冷やす、スポーツドリンクや経口補水液(塩分を含んだもの)を摂取する

Ⅱ.中等度

自分での判断や対応が困難となり、他人が気づいてあげないと危険な場合があります。
<症状>
 頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下
<対応>
 体を冷やす、経口補水液やスポーツドリンクの摂取
 医療機関での治療が必要となります

Ⅲ.高度(重症)

早急に医療機関へ搬送、生命の危険があります。
<症状>
 意識障害、けいれん発作、肝・腎臓障害、血液凝固障害、脳細胞死滅

熱中症の予防と対策

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熱中症は高温の環境下で起こりますが、温度が高いだけでなく湿度も関係しますし、屋外だけでなく屋内でも起こります。また、極端に暑い日などが増えると熱中症の発生も多くなることがわかっていますので、天気予報での熱中症の予報にも気を配りましょう。
予防方法としては、以下のことが挙げられます。

1.暑さを避ける
・室内は扇風機やエアコンなどで28度以下にする
・遮光カーテン、すだれ、打ち水などで室内に侵入する熱を軽減する
・外出時、屋外では日傘や帽子を使う
・通気性、吸湿性、速乾性の高い衣類を着る
・気温が高い時間帯での外出や仕事は控える
・保冷剤、水、冷たいタオルなどで身体を冷やす

2.こまめに水分を補給する
・室内、室外を問わず夏の暑い環境下では喉の渇きを感じなくても、水分と塩分、経口補水液、スポーツ飲料などを摂取する(電解質<塩分>を含まない水分を補給すると低ナトリウム血症を起こすことがありますので注意してください。)
・塩分を摂るには、塩昆布茶、味噌汁、梅干し、せんべい、塩飴などがおすすめです。
※経口補水液は水1Lに砂糖40g、塩4gで簡単に作ることができます

これからの季節、子どもや高齢者は特に熱中症にかかりやすくなります。
熱中症の理解を深め、家族全員で熱中症対策を心がけましょう。

<ご協力いただいた方>

医療法人啓成会岡田内科 院長 岡田 啓治様

長野都市ガスより警報器のおすすめ

ご高齢の方は気温が高くなっても気づきにくく、屋内で熱中症になってしまうケースが見受けられます。そんな熱中症の対策として、熱中症の危険をお知らせしてくれる警報器「快適ウオッチ」の設置をおすすめしています。

室温が一定水準を超えると警報器が知らせてくれるので熱中症になる前に気づくことができます。おすすめの警報器は、熱中症対策の他にも、火災警報やガス漏れ警報、不完全燃焼警報機能もあります。

あなたの暮らしを見守る警報器をこの機会に是非ご検討ください。
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